辻斬り

鴻上は音を立て資料を握りつぶす。
だがそれに目をくれるものはなかった。

「厄介なもの残してくれちゃって。そんなことにたまたま巻き添え食らった人間はたまったものじゃないな。ええ、そこで遊び半分でメール送ってやがったやつらみたいながよっ！　聞いてっか、そこの罰当たりどもっ！」

まるで代弁者のように灘は怒り嘆く。
まなみはえくぼにさらにしわ寄せた、ばつの悪い顔をしながらも反論する。