声の主は、戎徒だった。
赤田の追跡を逃れ、鴻上たちのバンに辿りついたが、そこで何を見たのか、かなり動揺し焦っていた。無心になって車内で車上荒らしをしていた
「電話、電話……あった!」
携帯電話を探す戎徒にたまたま出会ってしまったあゆみは、彼を赤田だと思い込んでしまった。やっぱり凶悪犯が脱走し、この中に紛れ込んでしまったと思い込んだ。
あゆみの勘違いをまったく知らない戎徒はわき目を降らずに拾った携帯電話をいじり回した。だがうんともすんともいわぬそれに苛立ちをすべてぶつける羽目に。
「携帯電話も通じないのか! う――――くそ!」
使い物にならないものはとっとと投げ捨ててしまった。投げ捨てられたそれは背後にいたあゆみの足元に転がり込む。
あゆみはそれを拾うと、戎徒に歩み寄る。
「…何しているの?」
赤田の追跡を逃れ、鴻上たちのバンに辿りついたが、そこで何を見たのか、かなり動揺し焦っていた。無心になって車内で車上荒らしをしていた
「電話、電話……あった!」
携帯電話を探す戎徒にたまたま出会ってしまったあゆみは、彼を赤田だと思い込んでしまった。やっぱり凶悪犯が脱走し、この中に紛れ込んでしまったと思い込んだ。
あゆみの勘違いをまったく知らない戎徒はわき目を降らずに拾った携帯電話をいじり回した。だがうんともすんともいわぬそれに苛立ちをすべてぶつける羽目に。
「携帯電話も通じないのか! う――――くそ!」
使い物にならないものはとっとと投げ捨ててしまった。投げ捨てられたそれは背後にいたあゆみの足元に転がり込む。
あゆみはそれを拾うと、戎徒に歩み寄る。
「…何しているの?」


