辻斬り

「ひ、拾うどころか………電波が通じません」
「電波が?」
「ネットどころか、携帯だって通じてないはずです……アンテナ、これっぽっちも立ってない……」
「じゃ、何でメールは……送れたり……したの?」

まなみは今メールを葬信した自分の携帯を再度見つめなおした。

…アンテナは圏外を示したままだ。

なのに、スラッシュメールは送れた。
まるで、この世ではないどこかと、交信したかのように。