辻斬り

「なんだか私たちが死んじゃえばって言うたびに、みんな死んでってる気がする」

めぐみの不穏な言葉に同調し、まなみは尋ねる。

「ねえ。誰か、こいつのこと死んじゃえって、誰か思った?」

えみが小さく挙手する。
皆、白い目で見つめた。

「——じ、じ、冗談でって決まってるでしょ?」
「うざいって思ったのが飛躍して死んじゃえばって……言葉のあやでしょ?」
「今、私たちがそう思うたびに誰か、死んでるよね?」
「念ずれば叶うとは、よく言ったものだ」

疑獄沸く最中に駆けつけた灘は皮肉げにそう呟く。

「――ちょっと、まるで私たちがやったみたいに」
「そうよそうよ、何てこと言うのようすらハゲ」
「そんなこと言ってないだろ? それに、うすらハゲとは何だ!」