車から駆け下りた鴻上は車輪を見て呆然とした。 「タイヤがパンクしてる……ちくしょう、誰の仕業だ!」 「それも、4輪」 「それじゃ……」 「車は、これでオシャカってこと」 ——いよいよ歩いて帰るしかないわけだ。 そう呟くしかなかった。