運転中何度もハンドルを取られながら、険しい山道を一台のバンが走る。

酷くぬかるんだ道を走っているので、普段よりも実によく揺れる。
手を離せばたちまちにハンドルが小躍りを始めかねない。

長い間眠っていた道を呼び起こすようにバンは進む。

泥の合間に見えるアスファルトを辿りながら、慎重に運転をしていた。