雪は考え事をしながら自室へと足を運んでいた



雪「……(誰かに見られている?)」



何者かの視線を感じているようだ


雪は気配に集中して、少し歩く


そして確信した



雪「おい、其処で覗いてないで出て来い」



雪は立ち止まって前を向いたまま言った



雪「…………」



少しの間、沈黙があったあと何者かが観念した様にひょっこり顔を出した



沖「……バレちゃいましたか?雪には敵いませんねぇ……」



出て来た者は、沖田だった


沖田は残念そうな表情をすると頭を擦り、軽く笑いながら出て来た


雪「……総司か。何時も馬鹿みたいに阿呆な事すんなよ」



沖「それ、馬鹿なのか阿呆なのか分かりません。と言うか、どっちも嫌です、違います!」



雪「否定ばかりは良くないぞ、我が儘な印象を与える。だから時には肯定する事もしなさい、例えそれが違っていても」



沖「何ですか、それ?何の仮説?何の教え?」