――大和屋焼き討ち事件


八月十二日、借金を断られた腹いせに芹沢、大和屋に火をかける。



雪「……大和屋焼き討ち事件」



雪は呟きながら“焼き討ち事件”についての記憶を巡らせていた



雪「……(八月十二日、五、六人の部下を引き連れて大和屋におもむき、活動資金の借用を申し入れた。


大和屋は天誅組(反幕府側)に借金を出した故に、天誅組には出せて我々に出せない金はなかろうと芹沢は申し入れた。


しかし、大和屋は主人の不在を理由に、あくまでも金談を断った。

芹沢はその場は引き下がったが、腹の虫がおさまらなかった故に、夜になって報復行動に出た。


三十五人もの隊士を率いて大和屋に向かい、午前零時ごろ火を放った……。)」



雪はそこまで考えると、ため息を着いて難しい顔をした