雪「まぁね。…………でも……」
土「あ?“でも”何だよ?」
土方が聞き返すと雪は一息置いてゆっくり黒い笑顔を咲かせた
雪「……今度寝ぼけて抱きつくなんて事があったら、てめえの首の骨へし折って粉々に粉砕してやるよ」
雪は笑顔で言い切った。
それは、かつて無いほどに恐ろしく、どす黒い笑顔であった……
雪は自分の笑顔に硬直している土方を放って、お土産を持ち何事もなかったかの様に去って行った
一方土方は……
土「………何で俺の周りにはろくな奴がいねぇんだよ……」
嘆き項垂れていた。
その後土方は、勘定をして一人とぼとぼと屯所へ帰って行った。
屯所に着くと門には沖田が笑顔で待ち構えていた。
そして“今度雪に寝ぼけて抱きついたりしたら、骨の髄までめっためったに斬り刻んであげますよ。後、甘味のお土産ごちそうさまでした”と沖田は土方に囁き去って行った。
残された土方は、沖田も雪とグルだったと気付き疲労のため息を深く着いていた。
兎にも角にも、こうして二つの事件は幕を閉じたのだった……。