「高校の入学式の日、いつものように圭輔と学校に行った」


懐かしい記憶を思い出しながらゆっくり話す


「でも、圭輔が居なくなって探してたらバス停の近くにある桜の木を寂しそうに眺めてた子が居た」


「それって…もしかして」


「思い出した?それが瑠夏だったんだよ」


葉月高校の校門の近くに大きな桜の木が何本もある


「あたし、人混みが嫌いでクラス替えの名簿を見に行ってくれてた美春をあの桜の木の下で待ってたの」


「あの女の子って萩原だったんだな。それで瑠夏は名前を呼ばれて満面の笑みで近寄って行った。その時の笑顔が忘れられない」


凄く安心したような可愛らしい笑顔だったから


探したんだけど人数が多くて見付けられなくていろんな所から情報を仕入れて来る圭輔に聞いたんだ