【完】優しい彼の温もりに包まれて

…グスン…グスン


小さい子の啜り泣く声がする


声のする方へと近寄ってみる


「どうしたの?」


あたしは女の子に話し掛けた


あたしの声に最初は“ビクッ”としたものの頭を撫でて安心したのか話し出した


「お兄ちゃんと…はぐれちゃった」


「そうなんだ。君いくつ?」


「……みっつ」


3歳だと寂しいよね


「あたしが一緒にいるからおいで?」


「お姉ちゃん、抱っこして」


女の子はあたしが手を広げると嬉しそうに抱き着いて来た


「お名前教えてくれるかな?」


「さ…ほ。」


「沙穂ちゃん?」


あたしが聞くと小さく頷いた


「お姉ちゃん、お兄ちゃんと同じ学校の制服だ」


電灯あるけど遠くにあってほぼ真っ暗なのに分かるの?