【完】優しい彼の温もりに包まれて

「良くない。何回も電話したのに繋がらないし」


そういえばお父さんに電話した後に電源切ったんだった


「だから何?」


「何、その態度。あんた何か知らない。出て行けば?」


「あっそ。出て行って良いなら出て行くし!!」


あたしはそれだけ告げて部屋に戻った


こういうこともあると思ってキャリーバッグの中に3日分の荷物は詰めておいたんだ


確かバスの最終便は9時前だったな


今から歩いても充分間に合う


キャリーバッグと学校に持って行っている鞄やバッグなど必要最低限のものを持ち玄関へ行く


「瑠夏、何処に行くんだい?」


靴に履き替えてるとお父さんに呼び止められた


「お母さんに出て行けって言われた」


「また喧嘩したのか…」


ぼやいているお父さんを放っておいてあたしは家を出た