「うん、ありがと。ごめん」


コイツ、目が大きいんだな


可愛い顔してんじゃん


間近で見たのが初めてだったから…


泣き顔なんて勿体ない。


「じゃあ、俺、授業戻るな?」


そう言って立ち上がろうとした時…


「もう少しだけ傍にいて…」


制服の裾を握り小さく呟いた瑠夏


「名前も知らないのに我が儘言ってごめんなさい。でも今は誰か隣に居て欲しいの」


表情からして寂しそうだった


…これは何かあったな。


「分かった。来い」


俺が手を広げるとニコッと微笑んで飛び込んで来た


再び泣き続ける瑠夏の頭を撫でる


俺の名前はいつ知ってくれても良い


1年の時に助けたくても出来なかったから今、出来ることはしてあげよう


…俺が片想いしてる女だから。