「理由…言わなきゃいけない?」


「いや、無理しなくて良いけど…」


無理に聞くつもりはない


「あたしね、何かあったら此処に来るの」


そう言いながら空を見上げる


「どうして?」


「此処が人が居なくて落ち着くから」


此処は許可貰った人しか入れないもんな…


「なぁ、名前教えて?」


知ってるけど本人の口から聞きたい


「……山岸瑠夏。瑠夏で良いよ。苗字で呼ばれるの嫌いだから」


それだけ言うと黙ってしまった


「ねぇ、今だけ隣で泣かせて…」


しばらくの沈黙の後、発した言葉。


「あぁ、おいで」


俺は今にも泣きそうな瑠夏を抱きしめる


瑠夏は安心したのか再び泣き続けた


「落ち着いたか?」


俺の言葉にゆっくりと顔を上げる