「あれ…誰か居る?」


グスンと啜り泣く声がする


声がする方向へと足を進める


すると女の子がうずくまって泣いていた


この子、去年も此処で泣いてたな…


近寄りにくくて慰めたくても慰められなかったんだ


名前が知りたくて圭輔に特徴を話し教えて貰った


圭輔は情報を仕入れるのが早いからな


…それが山岸瑠夏だった


恐る恐る近寄ってみる


俺が居ることには気付いてないみたいだ


何だかずっと見ていたくて隣に座った


「…えっ?」


しばらくして俺の存在気付いてびっくりしていた


「やっと気付いたな」


「そんなに長く居たの?」


俺は小さく頷いた


「見られちゃったんだ。見られたくなかった」


「なんで泣いてたわけ?」


すると言葉に詰まった