【完】優しい彼の温もりに包まれて

俺は瑠夏の頭を撫で続けた


今の俺にはこのくらいしか出来ない


「……ん?」


気が付いたか?


「瑠夏?」


「良かった…」


それだけ呟き俺の手を握った


「ごめんな?」


俺は咄嗟に謝った


「ううん。あたしこそごめんね?」


「俺が早く気付いてればこんなことにはならなかったのに。」


「良いの。だって、今こうやって居てくれるんだもん。それだけで充分」


ニコッと微笑んだ瑠夏には元気がなかった


「大丈夫…じゃねぇよな」


キツそうな顔してるし…


「ねぇ…丈瑠。また丈瑠ん家行って良い?」


「良いけど…」


瑠夏から“行っていい?”って言葉もう聞けないと思ってた


それどころか瑠夏と居られないと思ってたから…