【完】優しい彼の温もりに包まれて

「丈瑠、とりあえず瑠夏を東棟の救護室に連れて行け。此処は俺がなんとかする」


急いで来た多川が藤室の話しを遮る


俺は瑠夏を背負い救護室へ向かう


……軽すぎる。


「失礼します。」


「来た来た。こっちよ」


今西先生、居たんだ


「瑠夏も無理しすぎなのよね。去年もこんな感じだったのに…でも、今年の方が酷いわね」


俺は瑠夏を寝かせ椅子に座る


「此処は貴方達に任せて良いかしら?私は授業があるから」


今西先生は慌ただしく出て行った


「瑠夏も頑張って耐えたね」


捺稀が瑠夏の頭に濡れたタオルを乗せながら呟く


「あたし、教室戻るけど、丈瑠君はどうする?」


「俺、此処に居る」


「そっか。頼んだよ。あたし、瑠夏の為にノート取らなきゃ」


捺稀は頑張り屋だからな


“後はよろしくね”と呟き出て行った