【完】優しい彼の温もりに包まれて

丈瑠もあたしが居なくなって少しは楽になったはず。


「瑠夏、持ってきたよ。行こうか」


あたしは捺稀に手を引かれ玄関へ向かう


「瑠夏!!」


玄関に向かうと愛しい人の声


「何…?あたしに関わらないでよ。」


いつも以上に低くなるあたしの声


「俺、別れるなんて絶対無理だから」


そんなこと言わないで。


期待しちゃうから…


「あっそ。好きにすれば?相手にしないから…」


…本当は嬉しいのに


「瑠夏、行くよ。」


捺稀はあたしの手を引き学校を出る


でも、丈瑠が目に涙を溜めていたのを見逃さなかった


「本当に良かったの?」


「うん。大丈夫。捺稀と美春が居れば…」


2人が居れば良い。


それだけで充分


丈瑠はあたしが守らなきゃ…