【完】優しい彼の温もりに包まれて

「瑠夏、行くぞ。ほら」


丈瑠は手を差し出してくれた


「良いの??」


「瑠夏しかダメだ」


やっぱり丈瑠は優しい


「本当は家まで送りたいんだけどバス停までで良いか?」


「うん。充分」


あたしだってもっと一緒に居たい


だけど、我が儘なんて言えない


バス停までなんて早いもので…


あっという間に着いてしまった


「瑠夏、こっち向いて」


……えっ


と思った時には唇を塞がれていた


「人が来たらどうするの?」


しかも、長かったから恥ずかしい


「良いじゃん。俺がしたかったんだから」


あたしの頭を撫でながらニコッと笑う


……卑怯だよね


「ほら、バス来たぞ。また連絡するから」


あたしは渋々バスに乗り込む