【完】優しい彼の温もりに包まれて

「丈瑠…。先にあたし帰るね」


元気のない瑠夏の声


「ちょっ…瑠夏!!」


俺は瑠夏の後を追いかけ腕を掴んだ


「離して!!」


「やだっ!!」


「お願い…。離してってば!!」


瑠夏は何処かへ行ってしまった


「あの子は?」


猫撫で声で聞いてくる美貴


「俺の彼女だけど?」


「泣かせちゃったね?」


その、上目遣いがムカつく


「あの子よりあたしの方が可愛いじゃん」


どんだけ自意識過剰なんだよ!!


「まぁ、また会えるし良いや。またね」


美貴は笑顔で去って行った


でも、俺にはその笑顔が怖かった


とりあえず瑠夏を探さねぇと。


「瑠夏っ?」


近くの公園のブランコに座っている瑠夏の姿があった


俺は後ろからそっと抱きしめた