【完】優しい彼の温もりに包まれて

「捺稀、圭輔。俺ら行くから…」


一言だけ告げると瑠夏の手を引き歩き出した


俺は気付いてた


瑠夏が目に涙を溜めてたこと。


「瑠夏?」


誰も居ない公園の隅っこにある大きな木の下で声を掛けてみる


此処なら誰にも見えない


「丈瑠はあたしより咲那の方が良い?」


……ヤバい。


こうなった瑠夏は不安定になった証拠だ


これ以上不安にさせないように俺は瑠夏にキスをした


「…んっ///」


不安を掻き消すようにキスを続けた


瑠夏が落ち着くまで。


「言わなかった?俺、瑠夏しか見てないって…」


「でも…」


「瑠夏から離れないから大丈夫。今は買い物行くんだろ?泣いてると楽しくないぞ?」


「そうだよね。ごめん」


瑠夏はすぐに笑顔になった