【完】優しい彼の温もりに包まれて

「瑠夏が悲しむと俺まで悲しくなる」


囁くように言うその言葉が恥ずかしい…


だけど、何処か安心した


「だから、言うな…。なっ?」


「なんで…?」


「どうした?」


「なんで、あたしの言って欲しい言葉ばっかり言ってくれるの?」


…ずっと言って欲しかった


“辛かったね”“頑張ったね”って…


だけど、誰もあたしの異変になんて気付いてくれなかった


あたしの気持ちを分かって欲しかったの


誰でも良い。理解してくれる人が欲しかった


……でも、丈瑠は違う


あたしのこと理解してくれてる


「瑠夏は“寂しい”“辛い”っていう感情を押し殺して来たんだろ?本当は気付いてもらいたかったんだよな?」


…ヤバい。嬉しすぎて泣きそ。