【完】優しい彼の温もりに包まれて

再び瑠夏の顔を見る


今にも泣きそうな顔をしていた


俺はそんな瑠夏がほっとけなくて抱きしめた


「丈瑠の制服、濡れちゃうよ…」


「俺の制服より今は自分の心配しろ」


制服が濡れても替えはある


「ごめんなさい」


頭を撫で続けていると安心したのか泣き出した


俺は何も声を掛けずに撫で続けることしか出来なかった


「大丈夫か?」


しばらく泣き続けた瑠夏に声を掛ける


このままだと風邪引くよな…


「瑠夏、ちょっと待ってろ」


瑠夏から離れようとした途端…


制服の裾を掴まれた


「すぐ戻って来る?」


表情がとても不安そうだ


「あぁ…戻って来るから心配すんな」


優しく笑いかけて病室を出た