【完】優しい彼の温もりに包まれて

……トントン


誰かに叩かれるような気がして顔を上げる


「なんだ。圭輔か…」


「なんだとは失礼なっ。ちゃんと瑠夏ちゃんの様子見に行ってあげたのにさ」


…そうだったな


「っで?」

「いつもより顔色悪かったな。行くんだろ?瑠夏ちゃんのとこ」


「あぁ。言われなくても行ってくる」


俺は足早に屋上へ向かった


すると隅っこに身を寄せて眠る瑠夏の姿があった


俺は傍に行き瑠夏の頭を撫で続けた


「…えっ?」


目を開けて俺が居ることに驚いている


「瑠夏…ごめん」


咄嗟に出た言葉が“ごめん”だった


「瑠夏、顔上げて?」


俺が言っても顔さえ上げてくれない


「いやっ!!」


「じゃあ、良いや。そのまま聞いて?」


俺は瑠夏の頭を撫でながら話し出した