【完】優しい彼の温もりに包まれて

「倒れてたの覚えてねぇの?」


「そうだったね…思いっきり走って息切れしたのは覚えてるんだ。そこからは…」


必死に思い出そうとしている


「もう良いよ。ごめんな?」


俺は瑠夏の手を握る


「ううん。あたしこそ…ごめんね。」


「お前が悪いんじゃない。俺が何も出来なかっただけだ」


藤室を早めに交わしてればこんなことにはならなかったんだから


「熱あるんだからもう少し寝てろ」


俺は立ち上がり母さんのとこに行こうとした


…が制服の裾を握られていた


「不安になるから傍に居て。お願い…」


そんなこと言われたら更に愛しいって思っちゃうじゃんか。


「分かった。でも、制服だと動きにくいから着替えて来るな?」


瑠夏は小さく頷いた