「うん。分かった…」


「じゃあ、準備しとけ」


お母さんの前を通りたくないよ


咄嗟に丈瑠君の制服の裾を掴んだ


「大丈夫。何かあったらまた家に来れば良い」


……優しすぎるよ


「2人とも行くぞー?」


下から叫ぶお父さん


「急に押しかけてごめんな」


「ううん、良いの。こちらこそありがとう」


2人揃ってお父さんのところに向かう


「あら、もう帰るの?」


リビングから出て来たお母さん


「あっ、はい。お邪魔しました」


「また、いらっしゃいね」


お母さんはニコッと微笑む


めったにあたしに微笑むことないのに…


「丈瑠、行こう」


あたしは丈瑠の手を引き玄関を出た


「さぁ、乗りな」


お父さんは駐車場で待っていた