【完】優しい彼の温もりに包まれて

「何かあっただろ?」


「えっ、大丈夫だよ」


何で強がってしまうんだろ…


「瑠夏って嘘つくの下手だよな」


…やっぱり見抜かれてる


「俺、見抜くの得意だから。圭輔は気付いてないみたいだけど…」


「会ってそんなに経ってないのに気付いたんだ…」


バレないように頑張ったのに。


「目に涙、溜めてんのに気付かないはずないだろ?


「そんなこと言われたら涙腺緩むじゃん」


この人の前じゃ弱い自分になる


丈瑠君はあたしから鞄を取り上げて机の上に置いた


「来い」


手を広げて待っている


「良いの?」


あたし甘えちゃうよ…?


「あぁ、無理するな」


「バイト前なのに…」


でも、身体は正直なもので…


丈瑠君の優しさに涙が流れ出した