「や、あの、その~好きって告られちゃった……あはは~」
「……はぁ」
あたしがそう言うと王子は大きなため息をついた。
遠くからカラスの鳴き声が聞こえてくる。
「告白されて盛り上がってる中、悪いが真実を言ってやろう。あいつ、クソたらしなんだよ」
「へ? たらし?」
「すーぐ女に手を出そうとするんだよ。中途半端なライブやって中途半端にモテるし、マジタチ悪いんだよ」
「は、はぁ……」
「前に一緒にバンドやってた時も、俺のベイビーたちに手をつけようとしてたし!」
腕をくみながら王子がそう言った。
ベイビーって……、要は王子ファンのことか。

