「あ、あの……その……」 あたしは顔も体も口も、すべてが固まってしまったようだ。 とりあえず、心地よい風が吹いているはずなのに、 一切風になびかないツンツンヘアをあたしは見つめていた。 「ごめんね、突然。でも俺らのライブ見たら、美緒ちゃん絶対俺に惚れちゃうと思うから。じゃーまたね」 はいーーーー!? な、何だったんだーー!? あたしは、スタスタと屋上から去っていく、 そのツンツンヘアの後姿を見届けることしかできなかった。