ふん、ふふふーん、ふん、るる~、るん。 お、言葉がはまってきたかも! 「メモメモ……」 急いであたしはメモ帳をポケットから取り出した。 快晴の屋上。 そういえば突然ここで王子に歌えって言われたんだっけ。 つい数週間前のことだけど、 あれから怒涛の勢いでバンドが動き出したからか、 すんごい昔のことのように思える。 ふーん、るるる~ イヤホンでデモ曲を聞きながら、 あたしは最後の1曲の歌詞を書いていた。 すると、 トントン、と誰かに肩を叩かれる。