何というか、太い体なのに、 ドラムとシンバルを交互に叩くスティック使いはしなやかだ。 良夫さん……すごく汗かいてるけど、 ドラム叩くとやっぱり格好良いかも!! 「あー、あー、マイクのテスト中ー」 ミキサーでマイクのボリュームをいじりながら、 あたしも発声練習を始めた。 何だろう、このドキドキ感。 狭い8畳の空間の中に、 鼓膜が破れそうな程の爆音。 みんなが一音一音奏でるたびに、 心臓が揺さぶられるような感覚。