スターフィッシュ‼︎

「あのぅ、あたしたちとバンドやりませんか?」


負けずに、ちょっと高い声で、

あたしは良夫さんにそう言った。


「は? ば、ばばば、バンド……!?」


ん、良夫さんって人、何だかすごーく驚いているぞ。

女子とあんまり話したことなさそう。


「君……どうせ何かの罰ゲームでしょ。ぼ、僕なんか騙してどうするんだよ!」


良夫さんはポケットからハンカチを取り出して、

こめかみと首筋の汗をぬぐった。


あたしは一度、5mくらい後ろで待っている王子をチラっと見た。

こ、これはヒットエンドランのサイン!


よし、もうひと押し。