あたしは、目を大きく見開き、


「こんにちは! STARFISH、始めまーーーーーーす!!」


とお腹にぐっと力を込め、声を振り絞った。


それと同時に、良夫さんが、風船がはじけ割れるような、力強いスネアドラムの音を鳴らす。

同時に、お客さんの歓声がふっと消える。


時間にしてコンマ何秒。


無音の空間を作ってから、

4桁はいるだろうお客さんに向かい、

4人全員で楽器に思いをこめて、爆発音のような音を盛大にぶちまけた。


再び、音に負けないくらいのたくさんの声が空中に舞う。


前の方から順番に、後ろの飲食エリアの方にまで拳が広がっていくのが見えた。


よし、行くぞーーーー!



「1曲目、『ROOKIE』!!」

「ワン、ツー、スリー、フォー!」


王子の曲紹介と良夫さんのカウントで、

あたしたちの――STARFISHのライブはスタートした。


ステージすぐのエリアでは、お客さんたちがもみくちゃになりながら、音にのって暴れ回っている。

あたしもそれに負けないように、

ギターをかき鳴らし、歌を、思いを、全身から放出させる。