え……?
あたしもその視線の先を追おうとした、その時――
王子がゆっくりとカナタちゃんの前に来て、同じ目線になるように屈んだ。
「いつも応援してくれてありがとう。うちのボーカルは大切なバンドメンバーだからこれ以上傷つけないであげて。
応援してあげてくれるかな?」
そう言って、明るい茶髪を風になびかせながら、
王子はカナタちゃんに微笑みかけた。
カナタちゃんは頬を真っ赤に染めながら、
その柔らかく細められた目、優しい表情や声を感じているようだ。
「よかったら今日のライブ、歌もよく聞いてあげて。
これからもSTARFISH4人で良いライブできるよう頑張るから、よろしくね」
と王子が続けると、
「……はい」
と、カナタちゃんは静かに頷いた。

