スターフィッシュ‼︎

「おー、待たせたな! 早速行くぞ」

王子様が黒いベースケースを背負ってこっちに向かってきた。


キャーー!! 貴也様よーー!!

C組に入ると、まだ教室に残っている女子生徒からの悲鳴に出迎えられた。


「え!? 貴也さまが良夫なんかに用があるんですか?」

……ん、良夫『なんか?』に


あたしも、教室で王子様に呼ばれた時、

「何で美緒なんかに用があるの!? キーッ!」

って言われたけど、それとは違う。


「さぁ、あいつなら駅前のゲーセンにでも行ったんじゃないですか」


王子様に目を輝かせながらも、

そのC組の生徒たちは、良夫って人を思い出したくないような感じでそう答えた。


「貴也、とりあえずゲーセン行くべ」


教室の扉のとこで、ゆーたが待っていた。


「ああ、そうするか。ありがとう、みんな!」


ちゃんと帰りがけにC組の皆に笑顔を振りまく王子様。

うぅ、相変わらずちゃっかりしているなぁ。