昨日の曇り空から一転、
今日は光を邪魔しない程度に薄い雲がかかった晴れの空。
「もう全力でやるのみですね」
雪乃さんの車を降りながら、良夫さんはカメラに向かってそう言った。
おお、良夫さん、ちょっと格好つけてる?
「うひょー!! たぁーのしみー!」
ゆーたがテンション高く、そのカメラに近づいた後、
「いい天気! 初野外楽しみますっ!」
と、あたしが続いた。
うほっ。カメラを向けられると緊張するけど、何か気持ちいいぞ!
そして、王子は――
「いつも通りに、でもちょっとスペシャルな感じで、今日は決めます!」
と王子スマイル決め顔バージョン&決めゼリフ&超カメラ目線。
うーん、さすが王子。
これテレビで放送される時には、編集でバラの花でも散らしてもらったらいかがでしょーかっ。
今日の本戦の模様は、後日テレビ放送されるため、ところどころにテレビカメラを持ったスタッフさんの姿が見えた。
「わー! すごいね! 広いーー!」
臨海公園にある特設ステージは、今まで出たどのライブハウスよりも広くて高く、たくさんの照明に囲まれていた。
お客さんのスペースも、前方はブロックごとに手すりのような仕切りが設置されているけど、後方の出店ゾーンまで含めると、学校のグラウンドくらいの広さがあった。
この前王子たちに借りたDVDの映像を思い出す。
野外ロックフェスってこんな感じなのかな。
このエリアがお客さんで溢れている様子を想像しながら、ステージ裏の関係者スペースにあたしたちは向かっていった。

