電車を降りて、ゆーたと駅前通りを歩く。
遠回りになるし、悪いと思ったけど、
去年、悪いおにーさんに絡まれたことを思い出して、大人しく家まで送ってもらうことにした。
「そーいえばあの女……ストーカーのやつ、大丈夫?」
「カナタちゃんのこと? てかストーカーって。その言い方ひどいっ!」
「だってあいつ去年ずっと貴也の後ろにいたし、マジ怖ぇーよ。一回注意したら落ち着いたけど、最近また見るよーになったし」
「カナタちゃん……一応仲良くやってる、つもりなんだけど……」
静かな住宅街に、街灯に照らされた2人の影が伸びる。
あたしは下を向きながら、この前カナタちゃんの邪魔をしてしまったことを思い出した。
あれからラインも来なくなったし、お昼も一緒に食べなくなった。
あたし……嫌われちゃったのかな。

