「貴也がいれば、女のファンは黙っててもつくべ? 今回はもっと男ファンも欲しいと思って、女ボーカルにしよーっつーこと」
珍しく、ゆーたが丁寧に説明してくれた。
「で、それが、あたし?」
「そうだ、これから毎日忙しくなるぞ、暇させねーからな!」
王子様がそう言ってあたしに笑顔を向ける。
キラーン☆
曇り空なのに太陽、いやコロナまで見えた!!
いやいやいや、騙されるなあたし。
「でも、あたし、まだやるとは……」
「ちなみにあとドラムがいれば本格活動できるからな」
「しゃ! ちょっと知り合いとかに声かけてみっぺ」
「あの……だからぁ」
「軽音であぶれてる奴とかいねーの?」
「あいつらマジくそだからな、外部、外部」
ちょっとー、あたしの意見は無視ですかーーー!!

