「美緒さんおめでとうございます! 本当に嬉しいです!」


STARFISH、青春スターダム本戦出場の噂は、次の日には学校中に知れ渡っていた。

そりゃ、全国ネットのテレビデビューが決まったから当然か。

うほほほほ。


カナタちゃんはお祝いの言葉を伝えに、あたしの教室まで来てくれた。


「ありがとうー! カナタちゃんはじめ皆が応援してくれたおかげだよ~」


3年生の教室が並ぶ廊下。

カナタちゃんはロングの黒髪を波のように揺らしながら、ハイテンションで喜んでくれた。


「本戦、ちょっと遠いけど良かったら見に来てね!」


「もちろんですっ! 野外で見るSTARFISHも楽しそう……」


そう言いかけたところで、

カナタちゃんはふと廊下の先に目線を移した。


あたしもつられてカナタちゃんの視線の先を追う。


そこには――


「貴也様、おめでとうございますっ! 絶対応援行きます~」

「ありがとう! 優勝できるように頑張るよ」


廊下を行き交っている3年生たちの合間。

貴ベイビーたちを引き連れた、王子の姿が見えた。