演奏がなんとか終わり、楽器の片づけをしてから、審査員たちから色々と質問を受けた。

バンドを結成したきっかけや、どんなコンセプトでやっているのか、青春スターダムへの意気込み等。


王子が代表で笑顔で答えている様子を、あたしはぼんやりと眺めていた。


ちなみに奥では、長谷部さんが業界人っぽい人たちとだべっていた。

おおお、あたしたちのライブ、全部見ててくれてたのかな?



「ああ~! おめーヒヤヒヤさせんじゃねーよ」


楽屋に戻ると、ゆーたに再びおでこをペシッと叩かれた。


「でも結果がどうなろーと、悔いのない演奏できたと思うわ。あーーでも本戦行きてーーー!」


そう言いながら、ゆーたはギターケースを背負って、帰る準備を始めた。


「何か今までで一番いいライブができました。もっとSTARFISHはどんどん成長していけると思います」


良夫さんは滝のような汗をタオルで拭いていた。


「…………」


王子は無言であたしの頭をぐしゃぐしゃにしてから、ベースを背負い、楽屋から出ていった。


ヒィィィィ!! 怒ってるのかなぁ!

あたし途中でギターの演奏放棄しちゃったし。