「カナタちゃんは王子のどこが好きなの?」
「えーと、全部ですっ!」
目を細めながら、満面の笑みでカナタちゃんはそう答えた。
その笑顔が眩しすぎて、
あたしは、屋上の床に置かれたカナタちゃんのチョコレートの箱とミルクティの缶に視線を移した。
「まず見た目が超格好良いじゃないですか! あと、性格も普段はちょっと優等生っぽいけど、ライブではガンガン飛ばしていくとことか~」
うむむ、皆の恋バナからラブソングの歌詞をイメージしてみようと思ったけど、中々難しそう……。
しかも、優等生っぽいって。
完全に王子マジックに騙されてるーー!
ちなみに今日のあたしのお昼は、購買の焼きそばパン。
これ美味しいんだよね~。
久々に1キロ痩せたので、王子がいない時を見計らって、あたしは少し自分にごほうびを与えていた。

