スタジオ休憩中。
「うーーーん。どんな歌詞がいいのかなぁ」
メモ帳とペンを片手に歌詞に悩むあたし。
「まあ、今度の地区決勝では、『ROOKIE』と『TAKE OFF』の予定だし、そんな慌てなくてもいーべ?」
「絶対良い曲になりますから、じっくり練っていきましょうよ」
ゆーたと良夫さんが話しかけてきた。
「ま、今回の曲は、愛だの~恋だの~ってのも合いそうじゃね?」
「は!? それって、ラブソング!?」
「いいですね! ゴーゴーのこいのうたみたいな感じですかね」
「おお! あれめっちゃ良い曲だよなー」
ラブソングの名曲について語り合っているゆーたと良夫さん。
その奥に、缶コーヒーを片手に戻ってきた王子が見えた。
『お前もなぁ、さっさと恋の一つ二つでもして、ラブソングくらい書いてみろ!』
レコーディング合宿の時、王子に言われた言葉を思い出す。
恋、かぁ……。
今はバンドのことでいっぱいいっぱいだから、恋とかしてるヒマないよぉぉお!

