「お、そ、そうなんだ!」


王子だらけの写真フォルダ。

去年、王子のストーカーをやっていたという噂。


何となくは分かっていたけど、初めて聞いたかのようにあたしは装った。


「美緒さん……協力してくれますよね?」


「う、うん! もちろんだよ」


「良かった……。ありがとうございます!」


少し潤んだ目を細めながら、

パッ、とカナタちゃんの顔が満面の笑顔になった。


うーん。

反射的にもちろん、って言っちゃった。


もちろん精一杯協力はしたいんだけど……。


「でも王子、今バンドで忙しいから彼女作る気ないと思う……」


協力はしたいけど、これは事実。

ちゃんと伝えておこう。


「分かってます。だから見てるだけでいいんです」


「え?」


驚いているあたしの目を見つめて、

ニッコリとカナタちゃんは笑った。