「あの……美緒さん、バイト終わるの待ってていいですか?」 バイト先のファミレスにて。 ティラミスの注文が入って、もしかしたら、と思っていたら、 本当にカナタちゃんの姿があった。 「うん。あと1時間くらいだけど、大丈夫?」 「はい……」 久しぶりに会ったカナタちゃん。 ぱっつんの前髪から見えるその目は、少しうつろで、いつものような元気さがない。 どうしたんだろう? 文化祭のグダグダ演奏に怒っちゃったのかな……。 軽い胸騒ぎとともに、あたしは残り1時間、ファミレス仕事を続けた。