ゆっくりとステージに上がる。
ステージ前の客席には50人くらい。
教室のベランダや模擬店エリアから見ている人もいる。
「美緒ー頑張れー!」
「STARFISH最高ー!」
あたしたちを知っている生徒たちの声援が聞こえてきた。
よし、いくぞー!
「こ、こんにちは~。STARFISHの美緒です。よろしくお願いしまーす」
ステージ上の椅子に座り、アコースティックギターを構える。
今日は歌用のマイクの他、ギターの前にも小さいマイクがセットされていた。
大きく深呼吸をしてから、あたしはギターを鳴らし始める。
バンドで見てる景色とは少し違う。
たった1人で、皆にちゃんと楽しんでもらえるか、ちゃんと伝えられるかどうか。
もちろん緊張はするけど、ここからの景色に胸を高まらせながら、あたしはSTARFISHの曲を奏で、歌った。
ステージ脇でノリノリで聞いてくれているリナ。
最前列のベンチにはカナタちゃんの姿。
後ろの方にはハッピを着たままのゆーたと、マスク姿の良夫さん。
よくライブに来てくれている人や、ザ・クリントンズの面々も見えた。
王子は……やっぱりいないか。

