その手には、ギター。 いわゆるアコースティックギター、ってやつ? 「おー! ゆーた!! おせーよ」 「軽音の奴から借りるのに手こずって。あいつらマジで絶対シめる!」 えーと、王子様とゆーたは知り合いで、 ゆーたはギターを持ってきて、 王子様はナルシストで……。 状況を理解できていないあたし。 すると、あたしのそばで、ゆーたが胡坐をかいて、ギターを構えた。 「お前、スーパーフライ歌えるっつってたべ?」 「う、うん」 「この曲歌える?」 そう言って、ゆーたは聞いたことのある音色を奏でた。