「す、すみません……む、無理ですぅ」
もう、涙声。
あたしは、必死で王子様に無理と訴えた。
すると、
「あははははっ! 何だよその鼻歌、マジきしょい」
と言って、向日葵畑以上に眩しい笑顔をあたしに見せながら、
王子様は笑っていた。
――ドキーン!
さっきの反動か、あたしの心臓は超キューンと縮んだ。
しかし、
「そーだよなー俺王子だし、格好いいからなー。そりゃー普通の女じゃ緊張して俺の前でいきなり歌えないよな」
という王子様の超ナルシスト発言に、ちょっと引いた。
まあこの容姿ならナルシストっていうのも許されるけど。
その時、
「貴也ー! あれ持ってきたぞー」
と突然ゆーたが扉を開けて、屋上に入ってきた。

