その距離は、わずか20センチ。 「……」 思わず目をつぶるあたし。 きっと、ここから貴也王子様との秘密の恋愛が始まるんだ――。 この強引さ、そのイケメンすぎる顔、 ちょっとなら、振り回されてもいいかも……。 でも、簡単には惚れてやらないんだから! と、調子に乗った妄想で、現実逃避をしていたが、 再び甘く黒く囁かれた言葉は、 再びあたしの想像を超えるものだった。 「おい、お前、ちょっと歌ってみろよ」