「ひどいっ、からかわないでよっ! どーせあたしなんて……」 あたしは下を向いて背中を丸めた。 「俺は、お前にそのままでいて欲しいと思うけどな」 ――え? 思わず、王子を見た。 爆笑していた顔が、ふっと優しい眼差しに変わっていた。 そして、王子はあたしの頭をぽんぽん、と軽く叩く。 ズッキュウゥウウン! ああん! そのいきなりの優しさも反則! んが、 「まーお前みたいなヤツがモテるようになったら、俺は全日本人の美意識を疑うぞ」 という言葉に、カクっとこけた。