それから2~3分くらい、再び寝ようとあたしは目を閉じたが、
「ぐぉぉぉおお」
「ごぁぁぁああ」
……無理だった。
すると、突然、
ガバッ、と王子が起き上がる音がした。
「あー寝れねぇ。……ちょっと外出るか」
「あ、あたしも行くー」
お互いTシャツとハーパンのまま、ちょっと散歩に行くことにした。
扉を開けると、セミの声がサラウンドで聞こえてきた。
暗い中、駐車場への道に向けて、いくつか街路灯があるけど、
空に広がる月や星を邪魔しない程度の明るさだ。
「星がきれいだねー」
先に外に出たあたしが、王子に話しかける。
夏の大三角をすぐに見つけることができた。
しかし――
「おい、ちょっとだまれよ」
小声でそう囁かれ、
フガッ、とその手であたしの口は塞がれた。

